Aión|クジラは、どこから来たのだろう。

安房で、何度もクジラに出会った

2026年夏、
安房へ向かう前、
一枚の地図が、形になっていました。

白鳥。
クジラ。
灯火。

これまでの音旅で訪れてきた土地が、
網の目のようにつながっていました。

シェイクスピアシアター

白鳥とクジラ

2025年11月1日。

安房のシェイクスピアシアターでの、
アンコールの時、
「鯨」を意識した即興曲が生まれました。

その音を、のちに
「シンカイノうた」と呼ぶようになりました。

それから時が流れ、2026年8月。

私は再び、安房へ向かいました。

今回、
その音をもう一度この土地へ持っていくために。

そして、クジラが現れはじめた

音旅の少し前。

8月5日、
長女の18歳の誕生日。

その日に発生した台風14号の名前は、
「クジラ」でした。

偶然にも、「シンカイのうた」が誕生した日(2025年11月1日)から数えて、ちょうど十月十日にあたるタイミングでもあることに気づきました。

そして安房で最初の数日を過ごした
天空ハウス。

そこは海を望む場所で、
クジラが訪れる海岸でもありました。

そこで出会った
白鳥楽器の白いピアノ「Gershwin」。

gershwin
溶けた蝋燭

灯火が、形を失った日


天空ハウスでのリハーサル2日目、
5月に太平山で受け取った
ピンクの灯火を灯しました。

そして、その日のうちに
蝋燭は溶けて、
形を失っていました。

翌日、天空ハウスでのLIVEを迎える時、
そこにはもう、
形としてのピンクの灯火はありませんでした。

私は、
そこに、不思議と清々しさを感じていました。

食卓にもクジラ

音旅の途中、定食屋でレバー肉を食べたくなって
「レバニラ」を頼もうとしました。

でも、レバーはあるけれど
もやしがないということで、断られて。

残念だなと思っていたら、

「クジラ肉はどう?」
と思いがけず勧められました。

ドキドキしながら。。。
クジラをいただきました。

音の中に現れたクジラ

クジラが訪れる海岸をのぞむ天空ハウスで、
「クジラ」を弾きました。

聴いてくださった方が、
「ぞわぞわした」
という身体の感覚を
何人も届けてくれました。

音が、
身体に触れる...感覚の中で、クジラの意識に繋がれるのなら...、そんな願いが浮かびながら、、。

そして、最終日

さざなみホールでのコンサートを前に、
近くで開催されていた
安房のアーティストの絵画展へ立ち寄りました。

そこで出会った絵画作品。


「空飛ぶ大地」という名前の、
クジラの絵がありました。

胸に夏の大三角形

今回の安房に滞在中、気づいて、ドキッとしたこと。

胸に、
夏の大三角形のように、3つほくろができていたこと。

振り返れば2020年。
唐松城能楽殿でのコンサートを前に、
夏の大三角形と
東北にある三つの湖の位置関係の話を聞きました。

そのとき、
お腹に
まるで夏の大三角形のような
三つの点の虫刺されに、気づきました。

そして今、、胸に。。。

大地の声に導かれ旅するピアニスト

岩木山から、安房へ

今回、安房の二つの場所でのコンサート。

どちらの場所でも、

「岩木山の曲に、身体が震えた」
という言葉をいただきました。

その言葉を受け取って、
このタイミングで
音旅図譜が形になっていたことも、
繋がっているような気がしました。

岩木山で生まれた音を感じると、
はじまりを予感する。
音は、時を越えて安房とともにあったのかもしれない。

音は、
土地をめぐり、
人へ渡り、
身体の奥深くに
届いていくものなのかもしれない。

AWA

今回、
もうひとつうまれた「記録作品」のこと。
2025年、安房で行った
朋 × まさのDuoライブ。

そのときの音を、
まさくんと聴き直し、
4曲を選び、作品として仕上げた
32分のライブ録音。

「はじまりの曲」
「つぼみ」
「GAIA」
そして、「シンカイノうた」。

2025年に生まれたこの音は、
2026年夏の安房では
「クジラ」という名前を得て、
新たに、この土地で響きました。

今、その余韻の中います。

そして、音旅はつづく。